静かに佇む窓辺には
夕暮れ時の茜色
揺蕩う刻(とき)に身を任せ
僕らは世界を生きていた
黄昏迫るその日々に
淋しさこめて 哀歌を奉げましょう
赤と橙と濃紺と
空の境は何処(いづこ)へか
もうすぐ 夜の帳に包まれる
地平線の彼方
貴女は眺めて囁いた
“沈む夕陽は私たちの別れを表してるみたい 昇る朝日は私たちの出逢いだから”
一雫 涙の理由(ワケ)は未だ分からず
潰れそうに歪んだ心
治す術を知らなくて
僕は貴女を困らせた
ねぇ 目を閉じて
過ぎ行く季節が残した軌跡
誰にも知られず辿りましょう
暫し夕暮れ 泡沫消える夢のよう
夜闇に紛れる夜色外套(マント)
翻るのは 貴女との記憶
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